驚異の部屋に時計はあったか #5
さて、では同じ18世紀初頭、時計はどういう感じだったかというと。
フランスとイギリスで大きな時計メーカーが誕生し、
主に男性(中流階級以上)が懐中時計を携帯するようになり、
その小型化、精度の向上に向けて、日進月歩で開発が進んだ時代。
左はイギリス、右はフランス製の懐中時計。
今は使わない、バージと呼ばれる古い脱進機を使っていたことから、バージ時計とも呼ばれる。
その時代の先進的な物ではあったが、そこそこの庶民なら手に入る時代だったのだ。
現代ならば、アイパッドやスマホという、先端的なガジェットがそれに当たるのだろう。
そう考えると、合点がいく。
何に合点がいくかって、驚異の部屋と時計についてだ。
17~18世紀、いわゆる過渡期から衰退期における驚異の部屋の画像を見ても、やはり時計というオブジェクトは登場しない。
せいぜい古めかしい象牙のサンダイアルや、砂時計がいいところだ。
「物品で世界を表現する」というのが驚異の部屋の第一命題だ。
現代でその精神をもって驚異の部屋を構築しようとした場合、キャビネットにアイパッドを飾るだろうか。
珊瑚や骨格標本や動物の剥製に混ざって、アイフォンを飾り立てたりするだろうか。
つまり、当時の時計というものは、そういう存在だったのだろう、と。
先進的すぎて、驚異の部屋の本質とはほんの少しかけ離れてしまうのだ。
それ以上に、「実用道具である」という要素が強かったのかもしれない。
すでに当時の時計は、驚くべきものでも、誇示するものでもなくなっていたのだ。
もちろん、今、上の画像と同じ時計が入手できたのなら、現代の驚異の部屋では素晴らしいアイテムとして迎えられるだろう。
ジャンルはもちろん、アンティクイタスだ。
驚異の部屋と時計に関する考察は、現段階ではこれで一応の幕とする。
まとまったようで随分とバラけた特集であったなという自覚はある。
実際、自分の頭の中も依然ほどよくバラけた状態であり、一向にまとまらない。
つまるところ、じゃあニキシー管時計はどのジャンルに振ればいいか、それすらも定まらない状態だ。
スキエンティフィカ?アルテファクタ?アンティクイタス?
そうは言いつつも、暗闇に浮かび上がるぼんやりとしたニキシー管のオレンジの光を眺めていると、一抹の満足感と達成感を得られたので、まあよしとする。
ちなみに驚異の部屋と時計に関する考察は、素人がロクな専門知識も持たず夢想しただけの内容なので、あまり真に受けぬようお願いしたい。
ソース出せとか言うな。
フランスとイギリスで大きな時計メーカーが誕生し、
主に男性(中流階級以上)が懐中時計を携帯するようになり、
その小型化、精度の向上に向けて、日進月歩で開発が進んだ時代。
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左はイギリス、右はフランス製の懐中時計。
今は使わない、バージと呼ばれる古い脱進機を使っていたことから、バージ時計とも呼ばれる。
その時代の先進的な物ではあったが、そこそこの庶民なら手に入る時代だったのだ。
現代ならば、アイパッドやスマホという、先端的なガジェットがそれに当たるのだろう。
そう考えると、合点がいく。
何に合点がいくかって、驚異の部屋と時計についてだ。
17~18世紀、いわゆる過渡期から衰退期における驚異の部屋の画像を見ても、やはり時計というオブジェクトは登場しない。
せいぜい古めかしい象牙のサンダイアルや、砂時計がいいところだ。
「物品で世界を表現する」というのが驚異の部屋の第一命題だ。
現代でその精神をもって驚異の部屋を構築しようとした場合、キャビネットにアイパッドを飾るだろうか。
珊瑚や骨格標本や動物の剥製に混ざって、アイフォンを飾り立てたりするだろうか。
つまり、当時の時計というものは、そういう存在だったのだろう、と。
先進的すぎて、驚異の部屋の本質とはほんの少しかけ離れてしまうのだ。
それ以上に、「実用道具である」という要素が強かったのかもしれない。
すでに当時の時計は、驚くべきものでも、誇示するものでもなくなっていたのだ。
もちろん、今、上の画像と同じ時計が入手できたのなら、現代の驚異の部屋では素晴らしいアイテムとして迎えられるだろう。
ジャンルはもちろん、アンティクイタスだ。
驚異の部屋と時計に関する考察は、現段階ではこれで一応の幕とする。
まとまったようで随分とバラけた特集であったなという自覚はある。
実際、自分の頭の中も依然ほどよくバラけた状態であり、一向にまとまらない。
つまるところ、じゃあニキシー管時計はどのジャンルに振ればいいか、それすらも定まらない状態だ。
スキエンティフィカ?アルテファクタ?アンティクイタス?
そうは言いつつも、暗闇に浮かび上がるぼんやりとしたニキシー管のオレンジの光を眺めていると、一抹の満足感と達成感を得られたので、まあよしとする。
ちなみに驚異の部屋と時計に関する考察は、素人がロクな専門知識も持たず夢想しただけの内容なので、あまり真に受けぬようお願いしたい。
ソース出せとか言うな。
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